2007年7月22日日曜日

ホスピス病棟の看護師さんとの打ち合わせ


「ホスピス」には2通りあって、1つは専門の施設に患者さんが入ってもらうもの、もう1つは在宅ホスピスです。
どちらも考え方は同じです。末期で治療が医学的に不可能な場合、患者さんの不安を取り除き、自分の好きなことをしてもらい、家族との交流を通じて残りの人生を少しでも有意義にしてもらうことです。治療はしませんが、精神的な苦痛の緩和、肉体的苦痛の緩和の処置は行います。具体的には前者がカウンセリング、後者が薬投与による痛みの緩和です。

本来、死を迎える患者さんの90%は自宅での死を望んでいます。家族に看取られて最期を迎えたい、という気持ちが高いのも当たり前です。しかし、現実的には在宅では「痛み」の緩和措置ができないことや、急な変調にすぐ対応ができない理由から在宅ホスピス自体が少ないのも事実です。

私は母がホスピス病棟に移った後、担当看護師のKさんと面談をしました。

今後のケア看護の計画を立てるのです。と言っても詳細な計画と言うより、看護師と家族との考え方のコセンサスを取るといった感じです。

まず病状の確認。食道癌が食道全体に張り巡らされ、癌性腹膜炎・癌性胸膜炎で腹水・胸水が溜まっていること。余命が夏を越せない、と判断されており、本人は知らされていないこと。栄養・水分はすべて、点滴から得られ口からの栄養摂取が皆無なこと。小水は尿道からの管から排出され、腹水は胃に通したPEGから排出されていること、などです。

また今後の計画として、ボランティアさんなど人との接触機会を増やし、自分の好きなこと・興味のあること・楽しいことを自分から進んでやりたい、と思えるような環境を作ることを話し合いました。
とりあえず、オーディオを持ってきて、母の好きなクラシックを終日流し、K看護師さんからは、病院の食事をまったく摂取していないので、好きなもの・食べたい物を舐める程度で構わないので口に入れてみよう、と母に一緒に話しました。


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