2007年6月27日水曜日

食道癌末期のケア医療PART1・・経皮経食道胃管挿入術

母の食道癌は末期で施しようもない状態でした。
食道全体に腫瘍があり、食道全体を圧迫して食物はおろか水分さえ飲めない状態です。

さらに胸部リンパにも転移しており、各器官への転移は時間の問題です。余命は3か月~半年と言われました。

手術も無理、放射線治療も無理。なぜなら癌に対するこれらの治療は部分治療で、早期癌(転移していない状態)の場合は、その部分だけ切除・放射線による癌細胞破壊が可能ですが、転移がひどい場合はそれを全部の器官に施さなければならず、実質不可能です。「治療による快癒」の可能性がゼロですので、後はいかに苦しまないように過ごせるかが、ケア看護の重点課題となります。

札幌鉄道病院さんではまず流動食でも口から摂取できるようにして、体力回復を図るために、経皮経食道胃管挿入術を施すこととなりました。経皮経食道胃管挿入術とは、「ステント」と呼ばれる人工的な管を食道に通して、食道壁を広げる手術です。

身体にメスを入れること無く、胃カメラのようなもので口から挿入するもので、施術が簡単なのですが、胃と食道の弁も通じさせてしまいます。
胃は食物を消化するため胃酸を発生させます。また食物の胃の滞在時間も長いため、嘔吐をおこさないように、胃と食道の節には弁が付いています。下には食物が通りますが、胃から上には弁のために逆流しない仕組みなのです。その弁がない状態になるため、吐き気を催すのがリスクと言えます。
この手術を実施した母ですが、確かに流動食は口から摂取できるようになりましたが、やはり必要な栄養素は点滴で賄うしかない様子でした。

0 件のコメント: